不動産屋に問い合わせをすると、このように来店を促されることがあります。
スーモにある物件と何が違うの?
それってお店でしか探せないの?
初めて話す不動産屋には聞きづらいことも多いですよね。
この記事では、ネットにない物件の裏側を元不動産屋の視点から解説します。
知識があれば怖くない!「聞きたいけど聞きづらい…」を解消して、楽しいお部屋探しを始めましょう。
ネットにない物件は本当にあるのか
ネットにない物件は実在する
ネット上に掲載されていない物件は実在します。
ネット = スーモやホームズなどのお部屋探しサイトだと思ってください。
ネットにない理由
物件がネットにない理由は3つあります。
掲載NG
ネットに載せられないケースです。
物件を預かる際に大家さんから掲載NGが出ると、ネットには載せられません。
ネットに載せたくない主な理由
- 信用している不動産屋にだけ紹介してほしい
- その物件の1室や近所に住んでいるため、不特定多数の人が物件を見に来るのは嫌
不動産屋の判断で載せていない
ネットに載せられないのではなく、ネットに載せていないだけのケースもあります。
ネットに物件情報を載せる目的は、集客です。
不動産屋はお問い合わせが多そうな物件を厳選してネットに載せています。
できることならそうしたいのが不動産屋の本音ですが、厳選せざるを得ないのです。
物件を厳選する理由
- ネットに物件情報を載せるにはお金がかかる
- 掲載できる物件の数が決まっている
ネットに載る前
物件の募集が出てから、ネットに情報が載るまでにはタイムラグが生じます。
すべての物件に「募集は出ていてもネットに載っていない期間」が存在します。
ネットに載る前の物件が「ネットにない物件」と表現されるケースもあるのです。
ネットに物件情報が載るまでの流れ
スーモで新着が出たら確認するようにしているんだけど…
ネットに物件情報が載る流れを見ながら、解説していきます。
お部屋探しサイトの \ 新着 / は新着じゃない
ネット上で新着と出ていても「たった今、物件の募集が出た」というわけではありません。
ネットに物件情報が載る流れ
- 物件の管理会社が不動産屋専用のデータベース(※)に新着情報を載せる
- 不動産屋が①を見てネットに物件情報を打ち込む
- 数時間〜数日後に物件情報がネットに反映される
ネット上の新着は「たった今物件の募集が出ました!」ではなく「たった今情報がサイトに反映されました!」という意味になります。
※不動産屋専用のデータベースとは?
- 不動産屋しか見られない物件情報サイト
- 多くの管理会社が募集中の物件情報を載せている
いわば不動産屋専用のスーモです。
「そもそも管理会社ってなに?」は 【管理会社・仲介会社・大家さん・保証会社】特徴&役割を解説! の記事で解説しています。
※この記事の「不動産屋」は、↑参考記事の「仲介会社」に当たります。
「おとり物件もどき」が生まれる
…もしかして、おとり物件?
物件の募集が終了すると、ネットから物件情報が消されます。
物件情報がネットに載る流れと同様に、募集終了が反映されて情報が消えるまでにもタイムラグが生じます。
募集終了の物件情報がネットから消える流れ
- 不動産屋が物件の管理会社に募集状況を確認する
- 募集終了の場合、不動産屋がネットの情報を更新する
- 数時間〜数日後にネットに反映され、情報が消える
不動産屋はネットに掲載した物件がまだ空いているか、管理会社に定期的に確認しています。
しかし管理会社は、物件の募集が終了しても不動産屋に知らせないので、情報の更新が遅れてしまうことも。
特に人気物件だと、お部屋探しサイトで新着と出ていても既に募集が終わっているケースがよくあります。
ネットにない物件との出会い方
来店一択
ネットにない物件を探すには、不動産屋に行くのが一番です。
理由は2つあります。
専任物件を紹介してもらえる
専任物件 = 大家さんから専属で募集を任せられている物件です。
任せられている不動産屋だけが、お客様に物件を紹介できます。
ネット掲載NG = ネットにない物件も含まれています。
専用データベースから紹介してもらえる
不動産屋専用データベースには、
- 不動産屋の判断でネットに載せていない物件
- ネットに載る前の物件
= ネットにない物件が含まれています。
つまり専用データベースにはネットよりも新鮮で豊富な物件があるのです。
来店にはメリットがいっぱい
ネットにない物件と出会えること以外にも、不動産屋に行くメリットはあります。
不動産屋に行くメリット
- プロのアドバイスがもらえる
- 近くのお店や住みやすさなど、地域の細かい情報が聞ける
- 気になる物件があればすぐに内見できる
- その場で申込みができる
お部屋探しは早いもの勝ちです。
物件をネットだけで探すよりも、お店で探す方が新鮮で豊富な物件をより早く選ぶことができます。
不動産屋は来店が良い物件への近道と知っているからこそ、来店を促すのです。
不動産屋は物件情報を共有している
実は、どの不動産屋に行っても紹介してもらえる物件は同じです。
不動産屋は専用データベースで物件情報を共有しているため、他の不動産屋の物件でも紹介できます。
専用データベースを使って物件を紹介する不動産屋を総合仲介といいます
自社物件・専任物件しか紹介しない不動産屋もある
専用データベースを使わずに、自社物件や専任物件しか紹介しない不動産屋もあります。
自社物件とは
- 自分の会社が所有している物件のこと
- 不動産屋専用データベースに載せず、自分の会社だけで紹介することもある
専任物件と同じようなものです。
チェーン展開していない地場(地元)の不動産屋でよく見られる形態です。
まずは総合仲介に行こう
自社物件・専任物件だけしか紹介しない不動産屋のメリットは、そこでしか出会えない物件があること。
しかし他社の物件もまとめて紹介できる総合仲介に比べると、物件数は少ないです。
総合仲介の不動産屋も自社物件や専任物件を持っていることが多いので、まずは総合仲介に行くのがオススメ。
問い合わせする時に「ネットに載っている他の不動産屋の物件も紹介してもらえますか?」と聞きましょう。
紹介可能であれば総合仲介です。
まとめ【 ネットにない物件 = お宝物件ではない 】
ネットにない物件はお宝物件ではなく、ただ単にネットに載っていないだけの物件です。
この記事で、ネットにない物件の裏側を解説した目的は2つあります。
1つは冒頭でお伝えした「聞きたいけど聞きづらい…」から生まれる不安の解消です。
もう1つは、ネットにない物件も選択肢に入れた上で、自分に合った物件を見つけてほしいから。
お部屋探しに慣れていない方は、自ら選択肢を狭めてしまいがち。
たくさんのお部屋を見て、納得できる選択をしてください。
「わからないから、なんとなく怖い」はもったいない!
知識を増やして、正しく楽しくお部屋探しをしましょう。