お部屋探し

元不動産屋が教える!初めてのお部屋探し【事前準備が最重要】

住宅街

仕事も安定してきたし、そろそろ憧れの一人暮らしを始めたい!

でも部屋探しって何をどうすれば良いの?

不動産屋ってなんとなく怖いイメージ…

初めてのお部屋探し、わからないことばかりで不安ですよね。

良いお部屋を見つけるためには、不動産屋に行く前の準備が最重要 なんです。

この記事では、お部屋探しの準備について元不動産屋の筆者が解説します。

初めてのお部屋探しで陥りがちな失敗を回避して、新生活への良いスタートを切りましょう!

お部屋探しの流れ

お部屋探しはこのような流れで進みます。

お部屋探しの流れ

  1. 希望条件を決める
  2. お部屋探しサイトで物件を検索する
  3. 初期費用&引っ越し時期を確認する
  4. 気に入った物件を問い合わせる
  5. 不動産屋に予約を入れる
  6. 不動産屋で相談&物件を紹介してもらう
  7. 気に入った物件を内見する
  8. 申込み
  9. 審査
  10. 契約
  11. 初期費用の支払い
  12. お部屋の鍵をもらう
  13. 引っ越し

不動産屋に行く前の準備、特に①〜③が最重要です。

不動産屋に行く前の準備が最重要

初めてのお部屋探しでよくある失敗

新生活に期待を膨らませて不動産屋に行ったものの、良い物件が全然無い…

お部屋探しの難しさに頭を抱える方は多いです。

中には物件が見つからず、お部屋探し自体を諦めてしまう方も。

良い物件が見つからない原因は、準備不足 にあります。

良い物件への近道は【 明確な希望条件 × プロの視点 】

憧れの一人暮らしに向けて、希望条件は決まっていますか?

会社が近くて、広くてキレイな新築が良いな〜。

あと日当たりが良くて、お風呂とトイレは別で、料理も頑張りたいから広いキッチンもほしい!オートロックが付いてる方が安心かも!

最初にイメージする憧れのお部屋の条件は、家賃の予算をオーバーしてしまうことが多いです。

お客様の希望が相場とかけ離れている場合、不動産屋は条件変更の提案をします。

  • 必須条件は何か?
  • 条件の優先順位は?
  • どの条件なら妥協できる?

希望条件がボンヤリしていると、条件の再設定に時間がかかってしまいます。

不動産屋はお部屋探しのプロですが、自分の希望条件は不動産屋より自分の方がわかっている はず。

事前に明確な希望条件を決めた上で、不動産屋からプロの視点のアドバイスをもらうことが、良い物件を見つける近道なのです。

具体的な準備方法【 5ステップ 】

ここからは具体的な準備方法を解説します。

不動産屋に行く前の準備5ステップ

  1. 家賃の上限を決める
  2. 3本柱でお部屋の条件を考える
  3. お部屋探しサイトで検索
  4. 初期費用の準備状況を確認
  5. 引っ越し時期を確認

一緒に準備していきましょう!

家賃の上限を決める

家賃は毎月必ず支払うものなので、無理のない金額を設定しましょう。

まずは今の毎月の支出を洗い出します。

筆者の支出を元にした例

項目金額
通信費(スマホ)10,000円
外食20,000円
10,000円
美容室10,000円
趣味(スポーツジム・料理教室など)10,000円
医療費(コンタクトなど)6,000円
交通費4,000円
貯金10,000円
合計80,000円 … ①

次にこれから増える支出を予想します。

賃貸物件で一人暮らしをしている人の平均額(※)

項目金額
電気4,411円
ガス3,472円
水道2,080円
食費(外食除く)26,050円
合計36,013円 … ②

※出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)「住居の所有関係別1世帯当たり1か月間の支出」2021年,家計調査 家計収支編,第8表,単身世帯,民営借家

そして 給与の手取り額 - 支出合計額( ① + ② )を計算すると、 家賃に回せるギリギリの額 が出せます。

手取り20万円の場合

20万円 - ( ①80,000円 + ②36,013円 ) = 83,987円

→ 83,987円 が家賃に回せるギリギリの額

急な出費も考えられるので、1万円以上の余裕を持たせて家賃の上限を設定しましょう。

今回の例では73,000円が家賃上限と言えます。

3本柱でお部屋の条件を考える

お部屋の条件の基本は 立地広さ築年数 の3本柱です。

それぞれの希望条件を整理していきましょう。

立地

「どの範囲で物件を探すのか」を考えます。

まずは

通勤電車は何分まで乗れますか?

電車に乗れる時間から「 会社の最寄り駅から電車で◯分以内の駅なら住める 」 という大まかな範囲を決めることができます。

「近いほど良い」ではなく「最大何分まで許容できるか」を考えましょう。

20分までなら乗れる!
会社の最寄りは新宿駅だから、新宿駅から電車で20分以内の駅なら住めるということか〜

さらに

乗り換えは何回までできますか?

これで路線を絞ることができます。

乗り換えはしたくないなあ…。
新宿駅に乗り入れている路線に絞ろう。

乗車時間&路線から「 〇〇線の△△駅〜□□駅の間なら住める 」という、より具体的な範囲を決めることができます。

例えば

新宿駅に乗り入れているJR中央線で、新宿駅から20分(乗換なし)の範囲だと、武蔵境駅〜東京駅の間になります。

武蔵境駅  ←(20分)→ 新宿駅 ←(14分)→ 東京駅

検索例

  • 新宿駅に止まる電車が知りたい → 「新宿駅 乗り入れ路線」
  • 中央線の停車駅が知りたい → 「中央線 路線図」
  • 中央線で新宿駅から20分の範囲が知りたい → 「中央線 所要時間」

各駅停車と急行では乗車時間が異なります

併せて確認しておこう

  • 急行が停車する駅なのか?
  • 実際の通勤時間に急行が走っているのか?

また路線によっては、乗車時間などを調べても出てこない場合があります。

乗換案内サイトも活用しましょう。

検索例

  • 乗車時間を確認 →「会社の最寄り駅 ↔ 調べたい路線の適当な駅」で乗換検索
  • 実際に乗る電車を確認 → 通勤時間で検索(会社の最寄り駅の到着時刻を指定)

広さ

「生活スペースは何帖あれば生活できるのか」を考えます。

新居に置く予定の家具を書き出します

家具サイズ( 幅 × 奥行き )
シングルベッド100cm × 200cm
ローテーブル80cm × 60cm
テレビ55cm × 15cm
テレビ台80cm × 35cm

一般的なシングルベッド(マットレスのみ)のサイズ =  97cm × 195cm

家具を入れるために必要な広さを考えます

1帖のサイズ = 約 90cm × 180cm です。

家具だけで何帖分のスペースが埋まりますか?

デッドスペース(家具を置けない場所)も生まれるので、余裕を持ってお部屋の広さを考えましょう。

デッドスペースの例

  • 廊下への扉が開くスペース
  • 収納の前
  • 自分が通るところ(廊下・ベランダへの動線)

初めての一人暮らしだと、6帖 ほどのお部屋を選ぶ方が多いです。

6帖のお部屋に置ける家具

  • シングルベッド
  • ローテーブル
  • テレビ&テレビ台
  • 1〜2人掛けのコンパクトなソファ

築年数

「どのくらいの古さの物件まで許容できるか」を考えます。

なんとなく新しい物件の方がキレイそうだから、築10年以内くらい?

多くの人は築年数を「お部屋がキレイかどうか」の判断基準にしています。

しかし 築年数はこだわらないほうが良い です。

築年数にこだわらない方が良い理由

  • 同じ築年数でも物件によって綺麗さが全然違う
  • 築年数が経っていても、リフォームされていて新築のような見た目のお部屋もある
  • 良いお部屋を取りこぼしてしまう可能性がある

お部屋のキレイさは、築年数ではなく写真を見て判断しましょう。

お部屋探しサイトで検索

家賃・お部屋の条件が決まったら、お部屋探しサイトで物件を検索します。

掲載物件数が多い大手サイト(スーモやホームズ)を使いましょう。

このステップの目的は 希望条件と相場にギャップが無いか を確かめることです

「良い物件を見つけるぞ!」と気負わずにいきましょう。

希望条件を入力する

まずは駅を選択

立地を考える際に決めた「 〇〇線の△△駅〜□□駅の間なら住める 」を使いましょう。

希望駅はすべて選択します。

賃料を選択

賃料 = 家賃のこと

賃料の上限を選択します。

「 管理費・共益費込み 」にチェックを入れましょう。

管理費・共益費とは

  • 賃料にプラスして毎月支払うもの
  • 賃料と分けて記載されていることが多い
  • 物件の管理や維持のために使われる

専有面積を選択

専有面積 = お部屋の広さのこと

居室(生活スペース)だけでなく、水回りや廊下など、お部屋の中すべてを含めた面積です。

「㎡」でしか入力できない…。6帖の部屋だと何㎡になるの?

お部屋探しサイトは「◯帖」ではなく「◯㎡(平米)」で広さを選択します。

6帖のお部屋の専有面積

6帖のお部屋の専有面積  = 約20㎡ です。

① 6帖の居室 = 約10㎡

② 水回り・廊下など = 約10㎡

【 ① + ② = 約20㎡ 】

駅徒歩分数を選択

最寄り駅から家まで、何分歩けますか?

上限を設定しましょう。

「近いほど良い」ではなく「最大何分まで歩けるか」を考えましょう。

今の家の駅徒歩分数を参考にしてください。

他にマスト条件があれば選択 & 検索

マスト条件 = 「この条件が無いお部屋には住まない!」という条件

1階だと安全面が気になる…。
オートロックと2階以上はマスト!

「あったら良いな〜」程度の条件は一旦考えず、空欄のままにしておきましょう。

マスト条件を選択したら、検索ボタンを押します。

検索結果を並び替える

検索結果は「おすすめ順」に並んでいます。

「並び替え」のボタンから、重要視する項目で並べ替えましょう。

並び替えのヒント

  • できれば築年数が新しい物件が良い →「 築年数が新しい順 」
  • できれば広い部屋が良い → 「 専有面積が広い順 」
  • できる限り家賃を抑えたい → 「 賃料・管理費が安い順 」

並べ替えたら、物件の詳細を上から順に見ていきます。

一番上に出てくる物件 = 今の条件の中で最も希望に近い物件 です。

多くの人は検索結果に満足しない

なんか微妙なお部屋ばっかり…

良い物件が出てこない = 希望条件(理想) と 相場(現実) にギャップがある ということです。

今の条件を調節する必要があります。

条件の調節方法

① 3本柱(立地・広さ・築年数)の優先順位を決める

  「絶対に〇〇駅に住みたい!古くて広い部屋より、新しくて狭い部屋の方が良い!」

   → 立地 > 築年数 > 広さ

  「部屋を狭くしたら荷物が入らない!でも通勤時間は増やしたくない…」

   → 広さ > 立地 > 築年数

 

② 優先順位が低い条件を緩めて再検索する

優先順位を忘れずに、様々な条件パターンを試してみてください。

3本柱以外にも駅徒歩分数など、緩められる条件があれば調整します。

物件を見ていくうちに、自分に合う3本柱のバランスや、相場が掴めてきます。

エリアを広げたら良い物件が出てきた!通勤時間は増えるけど頑張れそう!

気に入ったお部屋があれば、後で見返せるようにサイト内でお気に入り追加しておきましょう。

家賃の上限は上げないこと

家賃の上限を上げると、条件の良いお部屋が出てきます。

頑張れば払える金額だし…どうせならもっと広い部屋に住みたい…

一度はこんな考えが浮かぶでしょう。

しかし家賃の上限は、毎月の支出を計算した上で決めた金額。

背伸びした家賃のお部屋に住むと…

  • 家賃を支払うために、生活の質を落とさなければならない
  • 毎月カツカツで友達と遊ぶお金が無い
  • ストレスが溜まる

これでは念願の一人暮らしを楽しめなくなり、本末転倒です。

家賃の上限だけは上げない ようにしましょう。

初期費用の準備状況を確認

引っ越しのための初期費用はどのくらい用意していますか?

初期費用は賃料の5ヶ月分

賃料7万円のお部屋なら初期費用は35万円ほど。

初めてのお部屋探しでは、初期費用の高さに驚く方が多いです。

賃料7万円のお部屋の初期費用(目安)

項目金額
前家賃(翌月分の家賃)7万円
敷金7万円
礼金7万円
仲介手数料7万円
保証会社利用料3.5万円
鍵交換代2万円
火災保険料1.5万円
合計35万円

敷金や礼金がゼロのお部屋なら、もう少し安くなります。

しかしお部屋の選択肢を減らさないためにも、初期費用は 最低でも賃料の5ヶ月分 準備しましょう。

引っ越しは出費がかさむ

お部屋の初期費用以外にも、出費がかさみます。

  • 引っ越し業者代
  • 家具家電の購入代

事前にいくらかかるか調べておき、初期費用の予算に加えましょう。

引っ越し時期を確認

「いつからいつの間に引っ越したいのか」を明確にします。

  • 最短で 引っ越しできるのはいつ?
  • 遅くてもいつまでに引っ越し完了したい?

引っ越しはすぐにできるけど、初期費用の準備ができるのは3ヶ月後かな。
遅くても半年後までには引っ越していたい…

3ヶ月後〜半年後の間に引っ越そう!

初期費用の準備状況・仕事などのスケジュールを考えて、引っ越し時期を決めましょう。

準備完了!不動産屋に行こう

初めてのお部屋探しでよくある失敗

不動産屋に行くタイミングを間違えて無駄足になってしまった…

初めてのお部屋探しではこのような失敗もあります。

時間と交通費をかけて不動産屋に何度も出向くことになってはもったいないです。

不動産屋に行くタイミングは遅くても早くてもダメ

不動産屋に行くタイミングが遅いと、引っ越し希望日に間に合わず、スケジュールを後ろ倒しにせざるを得ません。

逆に「 早い分には安心!」と思われている方も多いですが、実は 不動産屋に行くタイミングが早すぎてもデメリットがある のです。

不動産屋に行くタイミングが早すぎるデメリット

  • 引っ越し時期の合わない物件しか募集が出ていないため、探しても意味がない
  • 上記の理由で物件紹介を早目に切り上げる営業マンもいる
  • 最適なタイミングで再度不動産屋に行くことになる
  • 「時期は合わないけど参考までに内見してみよう」と思い内見した物件が気に入ってしまい、未練が残ってしまう

不動産屋に行く適切なタイミング

不動産屋に行く最適なタイミングは、最短で引っ越しできる日の1ヶ月前 です。

なぜなら、物件の募集は入居できる日の1ヶ月ほど前から出ることが多いから。

物件の募集が出る流れ

  1. 今住んでいる人が解約予告(※)を出す
  2. 「 退去予定の物件 」として、入居者の募集が開始
  3. 今住んでいる人が退去する(解約予告から1ヶ月後)
  4. お部屋のクリーニングが入る
  5. 新しい入居者が住み始める

(※)解約予告とは?

  • 「 この部屋を解約します 」という意思を、物件の管理会社に書面などで伝えること
  • 基本的に「 退去の1ヶ月前までに解約予告をすること 」が契約書で定められている

最短で引っ越しできる日の1ヶ月前 = 選べる(引っ越し時期が合う)物件数が多い

ぴったり1ヶ月前でなくてもOK!目安にしてくださいね。

引っ越しが1ヶ月よりも先の場合

お部屋探しサイトで希望条件に近い物件を色々と見ましょう。

見れば見るほど物件を見る目が養われるので、不動産屋と対等に話せるようになります。

不動産屋に予約を入れる

初期費用準備OK! 来月以降なら引っ越しできる!

不動産屋に行く適切なタイミングが来たら、不動産屋に予約を入れましょう。

予約の流れ

  1. お部屋探しサイトで一番気に入った物件の詳細を開く
  2. 物件詳細ページにあるお問い合わせフォームから見学予約を入れる
  3. 不動産屋から連絡が来る
  4. 来店の希望日時を伝えて予約する

問い合わせた物件は既に募集が終了している可能性もあります。

その場合でも「 他の物件を紹介してほしい 」と伝えて予約しましょう。

まとめ【 良い物件が見つかるかは自分次第 】

賃貸物件は借り物です。

オーダーメイドの住宅と違い、希望を100%叶えるお部屋は無いと思っておきましょう。

憧れだけが先行して、無い物ねだりになってしまうと、いつまでもお部屋は見つかりません。

良い部屋 = 思い描いた憧れの部屋 とは限らないのです。

 

この記事では、お部屋探しで最も重要な「 不動産屋に行く前の準備 」について解説しました。

良い物件 = 自分に適した物件 が見つかるかは、自分次第です。

準備を徹底して、自分に適した物件像 を明確にしましょう。

 

納得のいくお部屋探しになることを願っております!

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